天井裏から見つかった日蓮彫りの大黒
どんな伝承か
柏井の岡本家には、日蓮聖人が彫ったという大黒像が伝わる。日蓮がまだその名を名乗る前の修行中、この家に幾日か逗留し、その礼に恵比寿と大黒を彫って残したという。家の者は長くその在りかを知らなかったが、中山法華経寺の先々代の住職が拝んだところ、刷り物を手がかりに、建て直す前の玄関の高い天井裏から見つかった。拝みたいと請われて一時法華経寺に貸し、今は同じものを作って寺に祀り、本物は岡本家の床の間にあるという。墓を作った際には、仏壇から二百数十年前の経文も見つかったと話者は語る。
原典より
――岡本さんのお宅には代々うけつがれた物があるんですか?日蓮様がお彫りになった大黒様が家にあるんですよ、お姿ね。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。