野狐の鳴き声と狐よけの煙草
どんな伝承か
狐は国分におり、須和田にもいたことはいたが、曽谷の竹やぶにいたのだという。鳴き声は「コンコン」ではなく猿に似た「キャーキャー」で、野狐はああいう声で鳴くのだと国分に住む友人が話したという。話者の父は以前化かされかけたことがあり、背中に水をかけられたように寒くなると「あっ」と思ってすぐ煙草を出して吸った。狐や狸は火を嫌うからで、煙草を吸わない人や気づかない人は化かされるという。雨の日、国分から曽谷の方を見ると狐の嫁入りが見えたとも語る。
原典より
須和田にいたことはいたんですね。—— 市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
市川の伝承民話 第7集(市川民話の会(調査・編集)/市川市教育委員会(発行)・市川の伝承民話・1999年(平成11年))
『市川の伝承民話 第7集』は、市川民話の会が調査・編集し、市川市教育委員会が平成十一年に発行した民話資料集である。平成四年度から六年度にかけて市川市の柏井・須和田・宮久保・原木・稲荷木と国分高校ほかで行った採訪の聞き書きを、話者の息継ぎや方言を残したまま収める。世間話・伝説・昔話・唄と諺・年中行事・生活譚・現代若者の学校話の七部に分け、巻末に話者紹介と会員の採訪記、あとがきを付す。