旅館で鉛管の中の文字を透視
どんな伝承か
明治四十三年十一月十九日の午後、骰子の実験を終えて熊本の旅館で帰り支度をしていた福来友吉のもとを、千鶴子が清原猛雄と連れ立って訪ねてきた。千鶴子は鉛管に封じた実験物の透視を試したいと申し出た。福来はもう実験の必要はないと告げたが、熱心に頼まれて実験物を渡した。千鶴子は襖で隔てた隣の部屋で三分余り統一し、『無受次』と自ら書いた。鉛管を切り開くと完全に的中しており、長尾夫人には鉛管入りは透視できないと噂されていたこともあって、千鶴子は得意満面だったという。
原典より
彼女は勝ち誇った様な悦びを滿面に張らして居た。—— 心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。