現像せざる乾板の撮影文字透視実験
どんな伝承か
福来が丸亀に到着したのは十一月二十日の夜であった。翌朝、菊地学士に高の字を撮影した乾板を託し、長尾夫人の気分のよい機を見て透視実験を行うよう依頼した。十二月四日、実験が行われ、三分で透視を終えた夫人は「高」の一字と答え、封入したカードと照合すると完全に的中していた。さらに福来は文学士源良英とともに、大学の心理学実験室で哉天兆の三字を乾板に撮影し、未現像のまま送って実験させたところ、十二月十一日、夫人は四分弱で「哉天兆」と自書し、あぶり出しの文字と照合してやはり的中した。こうして、現像していない乾板の撮影文字までも透視できるという一新事実が確定したのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊と神秘世界(福来友吉・1932年(昭和7年))
『心霊と神秘世界』は、文学博士福来友吉が著し、昭和七年に人文書院から発行された心霊研究と仏教思想の書である。御船千鶴子・長尾夫人・三田光一らの透視と念写をはじめ、霊の幻化、念動、物質化など国内外の心霊現象を実験記録とともに論じ、後半では自我・神秘世界・霊と生命を真言密教や華厳の教えによって説く。全五編からなり、この本文は昭和五十七年に心交社が出した復刻版で、梅原正紀・井村宏次らの「解説研究編」を付している。