第五 観念力と模倣
どんな伝承か
赤ん坊のうぐいすに巧みな鳴き声を聞かせておくと、成長後に似た声で鳴くようになるように、幼いうちに宿った観念はのちの表現活動を支配するという。また里子や乳母に育てられた子の顔立ちが養育者に似るのも、日々接する顔の観念が生理的発達に影響するためだと説かれる。福来はさらに、幼少期に見物した狐憑き患者の様子に感化された二人の婦人が、その夜のうちに同じ狂的な振る舞いを見せた事例を挙げ、こうした模倣現象もまた観念の自己表現力によるものだと論じている。
原典より
* 第六 圧迫された精神の潜在活動* 第七 観念の圧迫より来る人格上の不安定* 第八 圧迫せられた精神の爆発* 第九 小刺激より来る群集の大爆発* 第十 尼寺のヒステリー的爆発* 第十一 厳酷なる…—— 観念は生物なり(福来友吉・心霊・念写研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
観念は生物なり(福来友吉・心霊・念写研究)
『観念は生物なり』は、福来友吉が著した心理学と心霊研究の論集である。観念と身体の関係、潜在精神と病気、夢、プランセット(自動書記)、狐憑病の伝染や尼寺のヒステリー、宮本武蔵の剣道などを論じ、明治四十三年以来十年間に接した御船千鶴子・長尾郁子・三田光一ら八人の通力者の透視と念写の実験を報告する。「観念と身体この関係」から「生命学と心霊研究」までの十四篇を収める。