逆さに持った浅草の護摩札が発した声
どんな伝承か
浅草の観音様で護摩札を受け、急いで電車に乗った日のことである。割れるように頭が痛み出した。混んだ乗り物でこんな目に遭った覚えはない。心の中で題目を唱えていると、耳もとで「サカサマ、サカサマ」とかすかな声がする。見回してもそれらしい人はいない。三度目にまさかと思いながら風呂敷を解いてみると、受けてきた札を逆さまに包んで持っていた。幾度も詫びて持ち直したところ、頭痛は春の雪解けのように消えた。札一枚といえども粗略には扱えないと思い知ったという。後日、友人の細川の家では、仏壇に貼られた立大黒の札から場所を替えてくれという声を聞いてもいる。
原典より
〔その一〕ある日、私が浅草の観音様でお護摩札をお受けして、その帰りを急いで電車に乗りました。—— 心霊の開発 ― 神のしくみ(福田倉子・心霊修行・霊媒・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊の開発 ― 神のしくみ(福田倉子・心霊修行・霊媒・1966年(昭和41年))
『心霊の開発 ― 神のしくみ』は、千葉で浄霊真手道場を開いた霊能者の福田倉子が、自らの霊的体験をまとめた本であり、昭和四十一年一月付の跋文を付す。気合術や法華行者・身延山の上人のもとでの修行、千鳥会の降霊会、霊媒として死霊や生霊、動物霊に向き合った事例、真手による浄霊と天福地蔵尊の由来などを記す。第一部「心霊へのみち」から第五部「神のしぐみと使命」までの五部に分け、あとがきと坂田武俊の跋文を置く。