医学修業に戻り幽界の秘事を語る才一郎
どんな伝承か
才一郎は明治元年九月三日の夜、再び柳田家に帰って来た。三尺坊の指図により、以前のように医学修業のためしばらく同家に留まることになったが、その後も現世と幽界を行き来して忙しく、柳田家に落ち着いたわけではなかった。しばらく姿を見せないかと思うと突然戻り、問われるままに、あるいは自分から進んで、顕幽両界の秘事をさまざまに語った。十一月七日には父才亮の家で一日を過ごし、翌八日、才亮は、秋葉宮の神託で家を出ていた才一郎が帰宅したが怪しい点はないと町奉行所へ届け出た。
原典より
才一郎は越えて明治元年九月三日の夜再び柳田家に帰還した。—— 近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
近代日本霊異実録(笠井鎮夫・霊異・神憑り実録・1966年(昭和41年))
『近代日本霊異実録』は、笠井鎮夫が著して昭和四十一年に昭森社から初版を出した、幕末から近代の神憑りと霊異の記録で、ここに収めるのは昭和四十八年に山雅房から出た複刻版である。金光教・黒住教・天理教・大本の教祖の神憑り、井上正鉄の求道、宮地常磐・堅磐父子や河野至道の神仙譚、天狗の弟子寅吉の話、長南年恵の奇跡などを、手記・写本・旧著を引いて語る。全十二録からなり、第一録には金光教に入信した著者の父の手記を収め、巻末にあとがきと著者略歴を置く。