高知城下に近い寒冷地・鏡小山
どんな伝承か
氷室は特別に寒い土地に設けられた。京都市北区西賀茂氷室町には『延喜式』に記す栗栖野氷室があり、御所から北北西へ七キロほどの山中で、氷室神社あたりの標高は三八〇メートルほどになる。高知市鏡小山も同様の特殊寒冷地で、高知城から西北西へ一〇キロ、氷室天神社付近の標高は三八〇メートル前後である。著者が平成二十三年一月十三日に訪ねたとき、市街に雪はないのに小山では道のあちこちで雪が凍っていた。一六世紀末の「長宗我部地検帳」には同社が「ヒムラ天神」と見える。
原典より
天然クーラーの方は庶民が利用した世界遺産になった荒船風穴第10章 戦後も産屋に籠もる女性がいた産屋とは何か産婦の死と「ウブメ」安産祈願と犬卒塔婆渡し舟で出産した女性の話—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))
『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。