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土井ヶ浜の母子合葬とウブメの恐れ

所在地山口県下関市豊北町(土井ヶ浜遺跡)
年代一世紀
登場イザベラ・バード、民俗研究者、『生と死の考古学』の著者、流れ灌頂を記録したイギリスの旅行家
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

産婦の死は悲しいだけでなく、きわめて不吉なものと考えられていた。難産などで死んだ女性の霊はウブメと呼ばれ、腰から下が血に染まり、橋のたもとで赤子を抱いて通る人に抱かせようとするという。鳥の姿で出る場合は姑獲鳥と書き分けた。同じ考えは古くからあり、山口県下関市豊北町の弥生時代・土井ヶ浜遺跡では、女性と八ヵ月ほどの胎児の合葬遺体が見つかったが、母親の足首から下は両方とも切断されていた。化けて出ることを恐れた処置だった可能性が高い。

原典より

安産祈願と犬卒塔婆渡し舟で出産した女性の話花見潟墓地遺骨は穴に投げ入れる両墓制と散骨殯とは何か—— 村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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