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腹を切り開いて葬った神谷の妊産婦

所在地高知県吾川郡いの町神谷
年代近代(民俗調査による)
登場山田康弘、『生と死の考古学』の著者
出典村の奇譚 ― 里の遺風

どんな伝承か

高知県吾川郡の旧伊野町、いまのいの町神谷では、身重のまま亡くなった女をそのまま葬ると、胎児が妨げとなって成仏できず、さまよい出たり生き返ったりすると考えられていた。そこで鎌で腹を切り開き、胎児の代わりに親がらを納めてから埋めたと、山田康弘の『生と死の考古学』に紹介されている。民俗調査で確かめられたもので、それほど古い時代の話ではないらしい。成仏できずに蘇るのはこの世への未練が強いからで、そうした霊は化けて出て人に祟ると恐れられた。同じ考えが、弥生の土井ヶ浜遺跡で母親の足首が切られていた理由にもあるのではないかという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

村の奇譚 ― 里の遺風(筒井功・民俗・地誌・2018年(平成30年))

『村の奇譚 ― 里の遺風』は、民俗研究者の筒井功が平成三十年に著した民俗探訪記である。修験の里の石室、石風呂と焼き石湯、山中の贋金づくり、箕作りの集団や天幕部落、岩窟に暮らした非定住民、猿と猟師、氷室と風穴、産屋、墓制、安倍晴明の墓、狐憑きと犬神など、各地の村に残る習俗と伝承を、聞き取りと文献の両面からたどる。全十三章で、昭和三十年前後の高知市での見聞から説き起こし、「おわりに」では別の出版社で刊行が見送られた経緯を記す。

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