写真を催促しに夢に来た巫女婆さん
どんな伝承か
甲斐駒の巫女婆さんに、お地蔵様を抱いた姿の写真を撮って送ると約束した著者は、写真ができあがっても筆無精から送るのを先延ばしにしていた。その間、白衣の婆さんが夢に現れて、写真はまだかとにらむことが二年のうちに四度あった。ようやく決心して送ると、婆さんから礼状が届き、約束を忘れていないことは分かっていた、いつ送る気になるか楽しみに待っていたと書かれていた。著者は、自分の生き霊がはるばる婆さんのもとへ呼びつけられて小言を食っていたのだろうと思ったという。
原典より
なんと二年間もうっちゃりぱなしにして、その間に四回も同じ夢をみた。—— 山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
山とお化けと自然界(西丸震哉・山岳・怪異エッセイ・1990年(平成2年))
『山とお化けと自然界』は、西丸震哉が旧著三冊と雑誌の一篇「ワシは安禄山」を編み直し、一九九〇年に文庫版あとがきを付けた随筆集である。「自然界はもちつもたれつ」「酒」「山」「兄との交信」の四部に、チョウや小動物、山や湿原の探検、酒と温泉の話とともに、横尾谷の岩小屋の幽霊、釜石の幽霊、木曾御岳の人魂、呪い殺しの実験、雨やみの術など著者自身の怪異体験をつづる。あとがきに『未知への足入れ』『山だ原始人だ幽霊だ』『山の動物誌』を元にしたと記す。