淵を歩く一メートルのガイラゴ
どんな伝承か
ガイラゴとは東北地方の一部で使われる方言でカエルのことだが、山形県置賜地方では妖怪を指していう。南陽市和田でガイラゴと呼ばれるものは、ナメクジのような形をしており、体長は一メートルほどある。人があまり通らない淵をのろりのろりと歩き回り、人に出会うとさっと物陰に隠れて様子をうかがう。人が通り過ぎるとまたゆっくり出てきて歩き出す。人に害を与えることはなく、逆にひどく臆病である。それゆえ、これを見たという人は極めて少ないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考4-新妖異変(高橋敏弘・西郊民俗)
『怪異雑考4-新妖異変』は、高橋敏弘が『西郊民俗』に寄せた連載「怪異雑考」の第四回で、副題を「新・妖異変」とする小論である。山形県置賜地方でカエルの方言ガイラゴの名で呼ばれる三種の妖怪、山形市の黒沢温泉に十二月八日と三十日に現れて餅を取っていく一つ目、最上郡大蔵村の家で続くポルターガイストを取り上げる。南陽市和田・下萩などの地名と方言の呼び名を添えて事例を並べる、短い報告である。