雪目を移す藁人形と慶運寺の地蔵
どんな伝承か
雪が降り積もって陽がさすと、ぎらぎらする反射光に射られて雪目になることがよくある。残雪に強い陽光が当たる春先にもかかりやすい。初雪が積もった朝にそれを手に取って目をこすると、一冬雪目にならないという。雪目になってしまったら、藁で人形を作って握り飯を背負わせ、一文銭を藁で結んで、街道の辻や村境に立つ地蔵さまに置いてくる。そのときの唱言は「ヤンメ、ヤンメ、今からおら家さ来んなよ」であった。実際に地蔵尊が立てられているのは南陽市荻の慶運寺内で、餅や菓子を供えるという。元来の「ヤンメ地蔵」は「病い地蔵」の意で、目だけでなく病気を治してくれる地蔵であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活・民俗調査)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)』所収の禁忌・卜占・予兆・生活の中の神々・死霊。山形県置賜地方に伝わる民間信仰を採録する。