稲かき機が現れる大蔵村の怪
どんな伝承か
山形県最上郡大蔵村幅に、物がひとりでに動く現象がずっと続いているといわれる家がある。最初は強い地震かと思って外に飛び出したが、外は何ともない。夢でも見たのかと家の中に入ると、またも強い揺れを感じる。やはり外は揺れていない。外に置いてあった稲かき機が、いきなり家の中に出現したこともあった。もちろん誰も持ち込んではいない。夜寝ていると顔に小石がばらばらと落ちてきて、跳ね起きるとあたり一面に小石が散らばっていた。村人はこれを天狗のしわざだと言った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考4-新妖異変(高橋敏弘・西郊民俗)
『怪異雑考4-新妖異変』は、高橋敏弘が『西郊民俗』に寄せた連載「怪異雑考」の第四回で、副題を「新・妖異変」とする小論である。山形県置賜地方でカエルの方言ガイラゴの名で呼ばれる三種の妖怪、山形市の黒沢温泉に十二月八日と三十日に現れて餅を取っていく一つ目、最上郡大蔵村の家で続くポルターガイストを取り上げる。南陽市和田・下萩などの地名と方言の呼び名を添えて事例を並べる、短い報告である。