稲かき機が現れる大蔵村の怪
どんな伝承か
山形県最上郡大蔵村幅に、物がひとりでに動く現象がずっと続いているといわれる家がある。最初は強い地震かと思って外に飛び出したが、外は何ともない。夢でも見たのかと家の中に入ると、またも強い揺れを感じる。やはり外は揺れていない。外に置いてあった稲かき機が、いきなり家の中に出現したこともあった。もちろん誰も持ち込んではいない。夜寝ていると顔に小石がばらばらと落ちてきて、跳ね起きるとあたり一面に小石が散らばっていた。村人はこれを天狗のしわざだと言った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
怪異雑考4-新妖異変(高橋敏弘・西郊民俗・現在(著作時点)、複数時代の怪異を収録)
本書は東北地方、特に山形県を中心とした民間怪異の実例集である。山形県置賜地方に伝わるガイラゴの3つの異なる型(ナメクジ型・蛙型・巨大カエル型)を詳述し、同一の名称を持ちながら形態と性質が大きく異なる妖怪の伝承の多様性を示す。また一ツ目妖怪については東京から山形まで広域に分布し、神様的信仰から放浪者の盗難行為まで複数の解釈が可能であることを示唆している。最後にポルターガイスト現象を天狗の仕業と解釈する事例を紹介。