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飯銭を出せと戸を叩いた井戸の鬼

所在地徳島県徳島市福島一丁目(慈光寺)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典講座日本風俗史別巻 妖異風俗

どんな伝承か

徳島の慈光寺には飯銭寮という建物があり、禅の修行者に恐れられて今は固く閉ざされている。昔この寮に泊まった僧の中に、学問をおさめず戒を破って酒肉の街を歩き、遊女とも交わる悪僧が二人いた。ある夜酔って帰り、喉が渇いて裏の井戸で水を汲むと、釣瓶に蛙のようなものが乗っている。見るうちに大きくなって鬼の形になったので、二人は湯罐を投げて寮へ逃げ込んだ。鬼は追ってきて戸を破らんばかりに叩き、「悪行はなはだしいごくつぶしめ、飯銭を出せ」と寺じゅうに響く声でわめいた。たまりかねた二人は裏戸から逃げ出して行方知れずとなり、以来この寮は飯銭寮と呼ばれたという。

原典より

徳島の慈光寺に飯銭寮というのがあるが、禅修業者には恐ろしい所として、今は固くとざされている。—— 講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)

『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。

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