吉田橋から流された数千の張子
どんな伝承か
縁起物の張子の男根が本当に消えたのは明治五年で、この年、各地の花柳界は取締りの急襲を受け、張子はすべて取り上げられた。横浜では巡査が集めた張子を車に積んで吉田橋から川へ投げ込んだところ、赤や金に塗った大小数千の張子がみな頭を上にして立ち泳ぎのように流れていった。橋の上に集まった群衆は手をたたいて大笑いし、投げ込んだ警官たちもあわてたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。