狐田と呼ぶなと命じた広瀬藩の覚え書
どんな伝承か
出雲広瀬藩主の松平直義が百姓に出した覚え書には、修験や山伏の立ち廻りを厳禁するほか、狐持ちの田地を狐田と申し立てるのは不届きの至りである、田地は御用地であるとあり、また人狐憑きの病人があっても筋祈禱をすれば必ず咎めると記されている。ここから、家に狐を養っているといわれ、その人狐が他人に憑くので結婚も嫌われる特殊家系の田地が、狐田と呼ばれていたことがわかる。狐持ちの家は古代の巫蠱の流れを引くほか、さらに新しい要因もあると説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
講座日本風俗史別巻 妖異風俗((講座日本風俗史 別巻)・日本風俗史・民俗)
『講座日本風俗史別巻 妖異風俗』は、『講座日本風俗史』の別巻として、複数の執筆者が妖しく異様な風俗を論じた巻である。淫祠と性の祭礼、戦後の新興宗教、性にまつわる迷信、妖術・忍術・奇術、憑きものと特殊家系、心霊術と催眠術、異類との婚姻、性と怪異の関わりを、古典の随筆や各地の報告、事件の記録から取り上げる。九つの章に分け、終章「日本妖異風土記」では関東から九州・沖縄までの怪異譚を地方別・県別に掲げる。