記者の至誠・通天透覚
どんな伝承か
明治四十三年十二月二十六日、香川県丸亀市の長尾方の八畳間で、報知新聞記者が長尾幾子(郁子)の透視を実験した。記者は約六、七間離れた別室で白紙に「至誠」と書いて箱に納めたが、初め「至誠神に通ず」と書きかけて中止し丸めてポケットに入れ、別紙に書き直したうえ、席で心中「至誠天に通ず」と念じていた。幾子は瞑目合掌ののち、箱中の「至誠」の字だけでなく、一度書き直したこと、丸めた紙を心で引き伸ばして見たこと、記者の脳中の「通天」の二字まで言い当てた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。