鏡沼の雨乞いで消えた褌
どんな伝承か
国境の水上にある鏡沼へ雨乞いに行ったときのことである。音金の男が沼で褌を洗ったところ、水が急にくるくると回り出し、褌は水中に引き込まれてしまった。すると急にじーんと体中に悪寒がしみ渡り、電気をかけられたように心がしびれて、地獄か極楽の境をさまよっているような気分をどうすることもできなかったという。鏡沼は主を大蛇と伝える不気味な沼で、岩に囲まれた周囲およそ五〇〇メートル、深さ一七、八メートルほどの手鏡のような形をしており、下野との国境の秘奥にある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
下郷町史 第5巻(民俗編)――伝説(下郷町(編)・下郷町史・自治体史(民俗))
福島県南会津郡『下郷町史 第5巻(民俗編)』所収の伝説。会津・下郷町に伝わる自然伝説・歴史伝説・信仰伝説を収録する。