トップ > 岡山県の伝承 > 吉備中央町

鳴き声の数で問いに答える雄猫「縞」

所在地岡山県加賀郡吉備中央町井原
年代明治21〜22年
登場登美、土井敬一、飼主・記事の筆者
出典迷信の諸相・宗教の真相

どんな伝承か

明治二十一年五月、美作の真島郡下方村の妹尾与一郎の家で生まれた雄猫「縞」は、同じ年の十月、備前の津高郡井原村の土井敬一に引き取られた。土井の娘の登美がかわいがるうち、大晦日に「明日はみなで新年を祝うから、お前も祝いなさい」と言い聞かせると、元日に縞はしきりに鳴いて応えたという。それからは年を尋ねれば鳴く回数で答え、皿や本の数、捕った鼠の数、銭の額、なくし物のありか、子の生まれる月まで当てると評判になった。岡山巡講中にこれを聞いた著者は、猫が少女の膝の上でしか答えないことから、少女が膝の動きで合図して鳴かせているのであり、人を驚かせて面白がる好奇心から出たものだろうと推し量っている。

原典より

縞また登美に馴従してよくその号令を聴き、登美の問いに答うるがごときに至りては、ひとり他猫に異なるところなり。—— 迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年)) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・1916年(大正5年))

『迷信の諸相・宗教の真相』は、井上円了が大正五年に刊行した『迷信と宗教』を、新しい題を付け現代の表記に改めて翻刻した本である。琉球・伊豆七島・壱岐対馬から北海道まで、著者が各地を巡回して見聞した犬神・人狐・河童・狐憑きなどの迷信と、怪火・天狗・幽霊・鬼門・卜筮・家相・禁厭など全国共通の迷信を挙げる。迷信の利害と原因を論じたのち宗教の真相を説き、余論に妖怪学の短編、附録に幽霊鬼神と霊魂不滅をめぐる論を収める。

種別から探す

予知コックリ種明かし

吉備中央町の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『迷信の諸相・宗教の真相』の伝承