継母を虐待していた助八のもとへ
どんな伝承か
姿は見えないが、耳に語声や足音を聴き、あるいは触覚で亡者の体重を感じるものを無形の幽霊という。その例として、下野の那須で継母を虐待していた助八のもとへ、その継母の死後、怨霊が来て悩ませた話が挙げられている。助八が修行に出たのちは、怨霊も見えなくなったという。筆者は、こうした諸例の十中七八までは虚偽虚構に出るもので、真に事実として取るべきは僅かに二、三であり、一人に限って現ずるものは精神作用によることが疑いないとしている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。