神無月に出雲へ集う氏神たち
どんな伝承か
旧暦十月を神無月と呼ぶのは、国じゅうの神々が出雲大社へ出かけて留守になるからだと語られてきた。集まるのは村々の氏神で、めいめいが受け持つ土地の若い男女をどう結び合わせるかを評議するのだという。出席する神はみな馬に乗って来るので、十月には大社のあたりの笹の葉が神馬に食われて一枚も残らないと信じている老人が今も少なくない。出雲の側だけは逆に神在り月と呼ぶ。もっとも氏神が里を離れるのは山へ帰るからで、もとは出雲とは関わりのない信仰だったと著者は説く。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本人の生活と迷信(今野圓輔・森秀男・今野圓輔・民俗学)
『日本人の生活と迷信』は、今野圓輔と森秀男による、現代の日本人の暮らしに残る迷信と俗信を論じた本である。文部省迷信調査協議会が昭和二十四年から翌年にかけて行った全国調査の数字を引き、十二支や丙午、日の吉凶、家相、厄年、まじない療法、食い合わせ、農作業の禁忌、幽霊・妖怪・河童・憑きもの、便所神や道祖神などを取り上げる。迷信の種類と分布に始まり、医薬、暦と方角、農村、前兆・予知、神々と信仰の部に分けて説く。