原子力研究所の開かずの一一三号
どんな伝承か
茨城県東海村の原子力研究所では、かつて自殺者が出たことをきっかけに「あかずの一一三号」という部屋の噂とともに、白髪頭を振り乱した幽霊が出るという話が広まった。真相を調べてみると、退屈しのぎに所員が創作した作り話に尾ひれがついて広まったものだったが、多くの所員を半信半疑にさせ、当時の新聞にも大きく報じられた。
原典より
茨城県東海村の原子力研究所にも自殺者が出たことがあって、そのあとはおきまりの「あかずの一一三号」ができたり、「白髪頭をふり乱した幽霊が出る」などのうわさ。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。