砂地を床にした敦賀半島の産小屋
どんな伝承か
裏日本、福井県敦賀半島の西海岸にあるお産小屋には、今なお天井から一本の力綱が下がり、床板を張らない砂地がそのまま出産の床になっているという。産婦は三十日間この小屋にこもって出産をすませ、帰宅した後もなお二十日間は家族とは別の部屋で暮らし、五十一日目にようやく忌が明けて、初めて夫や家族に赤ん坊を抱かせる。昔は出産のたびに小屋を建てたが、今では各部落に一戸ずつ常設の共同施設として残っているという。
原典より
やはり三〇日間この小屋に籠って出産をすませ、帰宅してもなお二〇日間は家族とは別な部屋で暮らし、五一日目にはじめて忌が明けて、夫や家族に赤ん坊を抱かせる。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。