奪い合う飛鳥神社の火祭のツツガ虫
どんな伝承か
全国の社寺が出す呪物の数はおびただしく、社寺の神事に使ったものやそれにちなんだものも呪力があると信じられて、奪い合って持ち去られることが各地で見られる。山形県飽海郡平田村の飛鳥神社が一月五、六日に行なう火祭のツツガ虫も、その一つである。藁で作られたそのツツガ虫の切れが魔よけになるという信仰から人々が奪い合い、それが俗に喧嘩祭と呼ばれる原因ともなっている。京都の大文字焼きで焚かれた焼けぼっくいの破片なども同じように扱われるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。