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小姓に化けて長者の娘に通う狐

所在地山形県酒田市
年代不明
登場酒田の長者の娘と狐、弓の名手強左衛門
出典私は幽霊を見た

どんな伝承か

山田野理夫の怪談収拾ノートにある出羽の話である。酒田の長者は魚を飼うのが好きで、庭に池を掘って黄や緋や白の魚を放していたが、狐に狙われ、とうとう全部食べられて白い毛が数本残るだけとなった。次に狐は長者の屋敷の美しい女に目をつけ、くるりと回転して小姓の姿に化け、紫の衣裳に白扇を持って通いはじめる。母の教えで着物の裾に糸を縫い込んで辿ると、山の狐の洞穴で終わっていた。町から弓の名手の強左衛門が招かれたが、狐は大岩に化けて矢を折る。大晦日、油断して穴を出た狐を強左衛門は隠し持った二の矢で射止めた。狐は、長者の女はおれの子を産むと言い残して息絶え、そのとおりになったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

私は幽霊を見た(東雅夫(編)・MF文庫ダ・ヴィンチ)

『私は幽霊を見た――現代怪談実話傑作選』は、東雅夫が編んだ怪談実話のアンソロジーで、メディアファクトリーのMF文庫ダ・ヴィンチの一冊である。平山蘆江・火野葦平・佐藤春夫・徳川夢声・遠藤周作・柴田錬三郎から石原慎太郎・新倉イワオ・稲川淳二まで、作家や文化人が自ら見聞きした幽霊や怪異を書いた文章を集める。目次には二十三篇と編者解説が並び、水木しげる・山田野理夫・桝井寿郎の座談「怪談詮議」や中岡俊哉「イタコの謎を追う」の抄録も含む。

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