璽光尊の天変地異予言
どんな伝承か
『世直しの生神様』などと称して一世を風びした女教祖が璽光尊である。璽光尊こと長岡良子は大正一〇年に商船会社社員と結婚したが、結婚生活中からときどき発作をおこして仮死状態に陥ることもあり、夫婦生活を嫌うようになって離婚された。その前から信仰していた弘法大師への信心が狂信的になっていく。世直会を結成したのが昭和二〇年一〇月、翌年一月に東京で璽光教と称し、勝木徳次郎とともに布教をはじめた。天照大神の化神で世直しのために降臨したというので戦前には不敬罪で二度検挙され、戦後は『何月何日に天変地異が起こる』という予言をばらまいて、各測候所が声明書を出す騒ぎになった。信者には横綱双葉山や棋士の呉清源がいた。
原典より
中央、地方の各測候所などは、こうした天変地異の流言を気にしての問い合わせに悲鳴をあげて、「この流言には、なんらの科学的根拠もありません」などと声明書を出すさわきまであった。—— 現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。