七つの子が草履を捨てる厄落とし
どんな伝承か
千葉県の夷隅郡地方では、子どもは七つの坂を越えるまでは分からないといい、七歳で厄落としをする。新しい草履をおろして親と浅間神社などに参り、鼻緒を切って境内に捨て、帰りには川で足を洗ってくる。その日は境内に草履が山と積まれるが、拾うと悪いことがあるといわれ、草履に厄が移ったと考えられている。またこの地方では、長男が七つになると一、二歳上の男の子と女の子を招いて七つの子を上座に据え、縁の深い人に酒を飲ませてもらい、男の子はエナを鋏で切るまね、女の子は針で縫うまねをして、祝言のように祝うという。
原典より
新しい草履をおろして親と浅間神社などに詣り、緒を切って境内に捨ててくるというものである。—— 厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
厄除け――日本人の霊魂観(佐々木勝・民俗学・厄除け信仰・1988年(昭和63年))
『厄除け――日本人の霊魂観』は、佐々木勝が昭和六十三年に名著出版から刊行した民俗信仰の論考集である。鬼・悪魔・疱瘡神・一つ目小僧など人に災いをもたらす神霊を「厄神」と総称し、その来訪を防ぐ呪術と祀り上げる祭祀を、著者の民俗調査と国学院大学民俗学研究会の採訪記録などの事例から説く。禁忌と呪術、百鬼夜行と目籠、鬼の宿と笹神様、年神とミタマの飯、厄年と年祝い、正月行事と司祭者など八章からなり、うち四章は書き下ろしである。