孫を食う古雌鶏と鶏ノ長者
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どんな伝承か
ある家では孫が生まれるたびに母親の懐から失せてしまった。旅の六部が泊まった夜も嫁が男児を産み、家中が喜びながらも悲しんだ。夜更けに台所で火が燃え上がるのを覗くと、悪相の老婆が五升焚きの鍋の熱湯で赤児を煮て食っていた。六部が取り押さえて訳を問うと、老婆は自分はこの家に三代伝わる古雌鶏で、一度も雛を育ててもらえなかった恨みに孫子を食うのだと言い、雌鶏に化して羽叩きして飛び上がった。六部の教えに従って鶏の子を大事に育てさせると、九百九十九羽目に孔雀が出て、その家は鶏ノ長者と呼ばれる家柄になった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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