邪険な心を殺す毒薬
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どんな伝承か
仲の悪い嫁姑があり、姑が病んだのを幸いに嫁は殺そうと近くの医者に毒薬を求めた。医者は一升樽に詰めて渡し、すぐには死なぬ薬だから疑われぬよう親切ごかして日に一度ずつ飲ませろと教えた。嫁は喜んで持ち帰り、養生の薬だと言って毎日飲ませ、心にもない世辞を言って手厚く介抱した。姑は嫁の優しさに涙を流して手を取り拝んだ。偽りを重ねるうちに嫁にも情が移り、殺したくなくなって毒消しを求めに行くと、医者はあれは体を殺す毒ではなく邪険な心を殺す毒薬だと明かした。家に帰ると姑は病が癒えて起き出しており、以後は世間に褒められる仲のよい姑嫁になった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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