巨鼠を退治した虎猫と三毛猫
どんな伝承か
ある山寺では小僧を置いてもいつのまにか行方知れずになった。和尚が炉端で虎猫に問うと、猫は人語で、この寺に来てから七代の和尚に仕えてきたが、小僧も和尚も皆二階に住む大鼠に取って食われるのだと答えた。退治には京にいる姉の力が要ると言って三日の暇を乞い、米四斗に枯鮭節の雑炊を大きな平桶に用意させ、雨打石の上から天を招いて紫の雲に乗って行った。三日目に尾の長い三毛猫を連れて戻り、二匹は雑炊を食うと馬ほどに大きくなって本堂の二階へ上った。三日三晩の激闘の末に巨鼠を退治し、三毛猫は雲に乗って京へ帰り、虎猫は死んだ。村中でこれを猫座大明神として祀った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。