雨足と尼足の言い違え
どんな伝承か
ある和尚は二階に尼を囲って楽しんでいた。それを知っている小僧は面白くなく思っていた。ある日、天気がよいからと庭一杯に干物の筵を広げたが、和尚は急に檀家へ行かねばならなくなり、雨足でも見えたら干物の筵を入れておけと言いつけて出かけた。小僧ははいはいと返事をしたが、和尚が出るとすぐに干物を畳んで納屋にしまい込み、遊んでいた。帰って来た和尚が、こんな天気のよい日にどうして干さずに納屋へ入れたのかと咎めると、小僧は、はい、二階で白い尼足が見えましたので入れておきましたと答えた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。