伊勢参宮の道中で競う大言の歌
どんな伝承か
和尚と山伏と百姓の三人が連れ立って伊勢参宮に出た。暑い日に山伏が、歌を詠んで負けた者が荷を背負うことにしようと持ちかけ、和尚も同意した。無智な百姓に二人分の荷を負わせる下心である。和尚はまず自分の頭の大きさを、山伏は梅の木と鴬の声を詠んで大言を競った。最後に百姓が、この日本を丸ごと飲んだなら坊主も山伏も糞になって出るだろうと詠み、二人を負かした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。