天から降る宝と埋め戻した壷
どんな伝承か
小友村のある所に爺があり、横田、今の遠野の町へ出るたびに欠けた摺鉢を買って頭にかぶって帰り、湯殿の屋根を葺くのだと言っていた。ある夜、天から雨のように黄金が降る夢を見た。翌日庭を掘ると壷が出て、蓋を取ると大判小判が光っていたが、爺は夢に見たのは天から降る宝であって土の中の宝は自分に授かった物ではないと言い、埋め戻した。覗いていた隣の父が掘り返すと中は青大将だったので、腹を立てて屋根を破り投げ込んだ。爺が夕飯を食べていると天窓から大判小判が降り、爺は長者になった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。