穴の奥の国で生神を斬った樵
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どんな伝承か
樵の父が山で木を伐っていると、巨木の陰に見慣れぬ穴があった。入って行くと明るい野原へ出、やがて村里に着くと、館の人々が声を立てて泣いていた。訳を聞くと、今夜この家の一人娘が国の生神に人身御供に取られるのだという。父は身代わりを申し出て、白木の棺箱に入れられ山麓の御堂へ運ばれた。真夜中に生臭い風が吹き、蓑を着たような六尺余りの猿の経立が現れて蓋を開けたので、父は斧で眉間を斬り割った。村人は怪物を焼き、父を助神と呼んで館へ迎え、一人娘の婿として七日七夜の祝いをした。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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