岩窟の女と歳月を隔てた帰郷
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どんな伝承か
貧しい男が歳の暮に金の当てもなく道を行くと、金の欲しい者はこの道を真直ぐに来いという立札があった。辿って行くと大きな岩窟があり、奥の赤い障子から美しい女が出て来て男を招き入れ、酒肴でもてなした。男は三日ほど遊んでいたが、家の妻子を思い出して帰ると言うと、女は一度出れば二度と来られないと嘆き、望むだけの黄金を与えた。村へ帰ると様子はすっかり変わり、婆に尋ねると曾祖母の代に行方知れずになった人だという。教えられた古墓の草をむしっていると棒杭から水が出て、冷たいと思ったところで目が覚めた。長い夢であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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遠野市の伝承
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