祖母に化けていた峠の年寄猫
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どんな伝承か
或る男が旅の帰りに国境の峠へ差しかかると、谷合で奇怪な声がする。木に登って窺うと大勢の猫が集まり、某殿のお頭領がまだ見えぬと話していた。その某は自分の家の名であった。やがて現れた年寄猫は、まぎれもなく自分の家の飼猫の三毛であった。猫どもは峠に隠れて通りかかった侍を襲ったが逆に斬り伏せられ、年寄猫も眉間に傷を負って逃げた。男が侍と共に血の跡をたどって家へ帰ると、祖母が転んで眉間を割ったという。侍が斬りつけると祖母は大猫になり、幾年も前に本物の祖母を食って化けていたと知れた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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