ナガスダの美女と地獄山の母子再会
どんな伝承か
村の西内、お不動山の奥のナガスダという所に、どこからか来た美しい女が住み、里ではナガスダ・マンコと呼んだ。遠野の町の市日に見初めた馬喰が訪ねる途中、カクラの家に泊まると、家人は金を狙って刀を研ぎ、偽の道を教えた。馬喰は察して山中の一軒家に辿り着き、半年ほど暮らしたが、山でその家人に殺された。身重のマンコは地獄山で産気づき、通りかかった和尚に助けられて男児を産むが、赤子は大鷲に攫われた。子は松崎の村の寺の門前の松に懸かっており、和尚が育てた。十三年目、笛吹峠を越えた子と母は地獄山で再会したと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。