草履作りの爺に授かった小判
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どんな伝承か
遠野の六日町の或る家の爺様は、ひどく神信心をする人であった。隣家には信心などせず、毎日黙って草履ばかり作っている爺様がいた。或る年の御明神の祭りの日、信心深い爺様が、今日は町内の鎮守の祭りだからと無理に連れ出して参詣したが、途中で草履作りの姿が見えなくなった。帰ると隣の爺は先に戻って草履を作っており、神様からこれを大事に持って行けと言われたという小袋には、大判小判が一杯入っていた。信心爺が神に恨み言を言うと、お前の前世は雀で御初穂の米を食べ、あの爺の前世は牛で社の材木を曳いたのだと答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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