厩の下から出た黄金の瓶
どんな伝承か
年取りだというのに銭が無く、妻が嫁入りに持って来た銭を出して肴を買わせにやったが、夫は何も買わず炭一俵だけ背負って帰った。妻は腹を立て、子供を連れて実家へ帰ってしまう。夫は炭を炉と火所に一杯おこし、独りで客をもてなす真似をして家の中を行き来していたが、夜更けに眠り、目覚めて牛に何も与えなかったと気づいて厩へ行くと牛は死んでいた。元日前に始末しようと厩の土台の下を掘ると瓶に当たり、開けると山吹色の黄金が一杯であった。元朝に金を持って舅の家へ行き妻子を連れ帰り、以後は村一番の長者になった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。