黄金に変わる吹花と奥方
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どんな伝承か
殿様の奥方が身重の折、御殿の広間の祝いの式で、腹の重みのために殿様の前を通るとき思わず粗相の音を立てた。殿様は立腹して実家に下れと言い渡し、奥方は泣く泣く里に帰り、まもなく男の子を産んだ。世間が父無し子と陰口を叩くので、子供は母から昔のことを聞き、一心に学問をした。やがて色紙で花を作り、殿様の庭前で黄金の成る吹花を売ろうと触れ、殿様の前で吹くと花はたちまち黄金となって庭一杯に散りばめられた。子が素性を明かすと殿様は非を悟り、奥方を呼び戻してその子を若殿にし、仲睦まじく暮らしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。
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