昔話を棄てるなという大きな桶
どんな伝承か
昔々、ある人が一つの大きな、本当に大きな桶を持って来た。それは何桶かと訊くと、これは「ムカシサラオケ」だと答えましたとさ。「ムカシサラオケ」とは、昔話を棄てるなという意味だそうである。原典はこれを笑話の一つとして角館小学校高等科の生徒の筆記から採り、続けて、長い刀の先に小さな車をつけてからからと鳴らせて来る「昔刀」の話を並べている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。