鬼の屁で笑い鬼の死を悲しむ三つ話
どんな伝承か
怖い話と可笑しい話と悲しい話の三つを一度に済ませてしまう小咄。鬼がいたので怖いと思っていると、その鬼が屁をひったので可笑しくて笑っていた。ところがその鬼が死んでしまったから悲しかった、というだけの話である。子供に昔話をせがまれ、語る種の尽きた夜に、爺婆が機転をきかせて語った他愛のない話の一つで、こうした話が続くころには子供もようやく眠たくなるのだという。秋田県角館の柴静子が筆記し、武藤鉄城が報告した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。