鬼の屁で笑い鬼の死を悲しむ三つ話
どんな伝承か
怖い話と可笑しい話と悲しい話の三つを一度に済ませてしまう小咄。鬼がいたので怖いと思っていると、その鬼が屁をひったので可笑しくて笑っていた。ところがその鬼が死んでしまったから悲しかった、というだけの話である。子供に昔話をせがまれ、語る種の尽きた夜に、爺婆が機転をきかせて語った他愛のない話の一つで、こうした話が続くころには子供もようやく眠たくなるのだという。秋田県角館の柴静子が筆記し、武藤鉄城が報告した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・大正・昭和(東北民俗))
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正昭和期に郷里岩手で採集した東北の昔話・伝説の集成。冒頭の『奥州のザシキワラシの話』では、旧家の座敷に出没し家の盛衰を司るザシキワラシの諸相を集める。『江刺郡昔話』『紫波郡昔話』に続き、『東奥異聞』では不思議な縁女の話・黄金の牛・磐司磐三郎・千曳石・赤子抱き・偽汽車など奇譚を収める。