鐘ヶ淵の河童が伝えた骨継の術
どんな伝承か
和賀殿の家来に小田島大炊介という人があり、二子の城下に住んでいた。家の裏手は北上川の岸で、日暮れになると化物が出ると言って女子供は厠に行けなかった。大炊介が女房の衣を着て行くと、何者かが手を伸ばして尻を撫でたので、持参の小刀でその腕を切り落とした。三日目の夜、鐘ヶ淵の河童が現れて腕を返してくれと請う。二度と悪戯をしないと誓わせて返すと、河童は目の前で切口に腕を継いで振り回してみせ、礼にその術と薬を教えた。それが子孫の家に今も伝わるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))
『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。