上区の水鏡でものもらい治し
どんな伝承か
上区では、ものもらいができると鏡を持って井戸へ行き、水面に鏡を映して「めかごとってくれろ」と唱えた。佐久町内では井戸を用いる同種の療法が広くおこなわれ、大日向では篩を川か井戸に映し、余地では笊をかぶって井戸をのぞき、平林や曽原では篩で顔や体を半分隠して「なおしてくれればみんなみせやす」と言った。高野町では竹製のスイノや金属の篩を井戸の上から半分だけ映し、井戸の神に治してくれと願い、治ったら全部見せると約束して言葉どおり実行したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。