命が腰掛けて平野を望んだ郡様の岩
どんな伝承か
上水田の陰地から中津井へ抜ける道の、両地区の境目あたりに、郡様の腰掛岩と呼ばれる岩があった。郡様に祀られる吉備雅武彦命がこの一帯を治めるために通りかかった折、この岩に腰を下ろして北房平野を見渡したと伝えられる。岩から東南の方角には郡神社が祀られ、さらにその南には命を祀る御陵があって、今も女性は立ち入ってはならないという決まりが守られている。腰掛岩そのものは道を直す工事で失われ、話だけが残った。
原典より
郡様は吉備雅武彦命が祭神なので、命がこの辺を治めるために通られた時にこれに腰を掛けて、北房平野をのぞまれた。—— 北房町史 民俗編 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北房町史 民俗編
『北房町史 民俗編』は、北房町の町史民俗編のうち、第十二章「伝説と昔話」の第一節「伝説」を収めたものである。上水田・菅野・中津井・宮地など町内の在所に伝わる、郡様の腰掛岩、菅野の七人みさき、八天狗の火消し、駒繋ぎの絵馬、長力牛之介の伝説、犬塚、断頭様、姥捨山、盗人が迫などの話を載せる。岩・泉・塔・社・地名ごとに見出しを立て、その場所と由来の言い伝えを短く記す。