鬼ばんばから逃れる三枚の守り札
どんな伝承か
和尚に花取りを頼まれた小僧が、危ない時に使えと守り札を三枚預かって山へ入った。花を探すうちに日が暮れ、明かりを頼りに婆の家へ泊めてもらう。夜、抱かれて寝ていると小僧肥えたかと撫でられ、振り返ると鬼婆だった。厠へ行くと言って腰に綱を結ばれた小僧は、綱を戸に結び守り札を貼り、札に返事を頼んで逃げ出す。追いつかれるたび二枚目の札を投げて大火事に、三枚目を投げて大川に変え、ようやく寺へ駆け込んだ。和尚は戸を閉じて鬼婆を入れず、鬼婆は家のまわりを探すうち古井戸をのぞき込み、映った姿を小僧と思って飛び込んで死んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説(南郷村(編)・南郷村史)
『南郷村史 第5巻(民俗編)――昔話と伝説』は、南郷村の村史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。奥会津に語られる昔話を方言のまま書きとめ、きのこの化け物、食わず女房、三枚のお札、天女の羽衣などを語り手の地区と名を添えて載せ、伝説では高倉宮以仁王、蛍堂、箱渕のきつね、萩山稲荷の萩太郎、天狗の飛礫などを伝える。昔話と第二節「伝説」に分かれ、末尾に参考資料の一覧を付す。