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年寄りの女性の執念

所在地高知県幡多郡
年代現代(社会人類学)
登場吉田禎吾、当該社会の人々
出典呪術――その現代に生きる機能

どんな伝承か

高知県幡多郡のある農村では、病気や怪我を金神や山の神、死霊などの祟りとする例が六十五ほど集まり、憑きものの病のうち十七件は生霊憑きだった。生霊は本人も知らぬ間に体を抜け出し、他人に取り憑いて精を吸うと考えられている。村人は、生霊が憑くのは女で、とりわけ年寄りの女が憑きやすいと語る。ある農家の妻は婦人病が治らず、易者に生霊の障りだから刃物を当ててはならないと言われ、村の祈禱師に三晩祈ってもらった。最後の夜、代わりの女に生霊が移ると、近所の年配の女そっくりの声で家の幸せを恨む言葉を吐いた。その女はかつて手放した土地を夫に買われていた。妻の病は手術せずに治ったという。

原典より

村の人たちも、「生霊の憑くのは女で、男の生霊が憑くことはない。女は執念が強く、ねたみ深いから人に憑く。小娘の生霊よりも、年寄りの女の生霊が憑きやすい」という。—— 呪術――その現代に生きる機能(吉田禎吾・吉田禎吾・社会人類学・1970年(昭和45年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

呪術――その現代に生きる機能(吉田禎吾・吉田禎吾・社会人類学・1970年(昭和45年))

『呪術――その現代に生きる機能』は、吉田禎吾が一九七〇年に著した文化人類学の概説書である。日本の雨乞いや迷信、山陰のキツネ持ち・四国の犬神筋といった憑きものの家筋から、アフリカの妖術・邪術、インドネシアの祈禱師まで、各地の呪術を取り上げる。日常生活の中の呪術から呪術の論理と現代まで七章で構成し、呪術が不安をやわらげ社会の秩序を保つ働きを持つことを論じる。

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