若者を死なせた大蛇とキッカケ坂
どんな伝承か
烏山の石倉山のあたりは古墳が多く、松や杉の大木が茂って昼でも薄暗く、里人は気味悪がってめったに通らなかった。そこにある急な坂を、昔、実直な若者が土浦でむしろを売った帰りに通ると、大蛇が鎌首をもたげて襲ってきた。若者は土産を放り出して逃げ帰ったが寝込んでしまい、「大蛇が」とうわごとを言いながら息を引き取った。茶店でこの話を聞いた旅の武士は仇を討とうと神社に祈願して山へ向かい、三度目に現れた大蛇に斬りつけて花室川の向こうへ逃れた。翌朝、村人は山の上で死んだ大蛇を見つけ、その頭と武士の刀を埋めて祠を建てた。斬りつけた坂をキッカケ坂、頭を埋めた山をジャガシラ山と呼ぶという。
原典より
すると、大蛇がかま首をもたげて、赤く長い舌を出しながら襲ってきました。—— 土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
土浦市史 民俗編――伝説(土浦市(編)・土浦市史)
『土浦市史 民俗編――伝説』は、市史の民俗編のうち第一節「土浦の伝説」と第二節「ことわざ」の冒頭を収める。首洗い井戸、狐の嫁入りや化かされ話、宍塚大池の大蛇、佐野子のカッパの手、弘法大師の石いもと照井、大聖寺の竜の爪、如宝寺の木食上人の入定など、市内の地名・寺社・池にまつわる伝説を、古老の話や市報・ふるさと運動の調査・資料館の調査・『東村誌』から引いて記す。各話に見出しを立て、ことわざは天候・動物などの題目ごとに番号を付けて掲げる。