夜の小屋で踊る三匹の猫
どんな伝承か
むかし、ある所の三軒の家で猫を飼っており、その三匹は夜になると必ずそろって遊びに出た。ある晩、一軒の者が後をつけると、小屋に集まった二匹が「ショウドインがこなけりゃ、ねっからしょうがおっつかね」と囃しながら踊っていた。やがて遅れて来たショウドインという猫が、家でオソウゼンを作ったので熱くて食えず手間取ったと言い訳し、三匹でまた踊り出したという。猫を飼うときは箕に入れて「何年飼う」と言うと、その年季が来れば必ず去ってしまうといい、猫はそれほど恐ろしいものだと語られる。
原典より
そうしたら小屋にあつまって二匹の猫が踊りを踊ってんだって。—— 壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
壬生町史 民俗編――伝説(壬生町(編)・壬生町史)
『壬生町史 民俗編――伝説』は、壬生町史民俗編のうち昔話と伝説の章を収めたものである。町史編さんの調査で町内の古老から集めた昔話を方言を生かして再話し、話者名を添えて動物昔話・完形昔話・笑い話・世間話に分けて並べる。伝説は吉次の墓・親抱きの松・大御堂などを動植物・歴史上の人物・塚と渕・神仏・地名に分け、地元の伝承に『郷土誌』『壬生領史略』などの文献からの引用を交えて載せ、一部の話に解説を付す。